Moralez, "Pastores, dicite …" のクリスマス

12.01ワークショップに参加された皆さん、お疲れさまでした。

今回はすべてのパートが揃わなかったのですが、少人数だったおかげで、講師の小酒井先生にはひとつひとつのフレーズごとに歌い方や音の流れや他のパートとの合わせ方などを丁寧に指導していただき、とても贅沢なレッスンになりました。

Moralez の "Patores, dicite, quidnam vidistis? "「羊飼いたちよ、言ってほしい、あなたたちは何を見たのか?」は前半と後半が応答になっています。

前半では羊飼いたちに向かって、「何を見たのか」「キリストの誕生はどうだったのか」の問いかけがなされ、後半では、羊飼いたち自身が「布にくるまれた幼子と、救い主を讃えて歌う天使たちを見た」と答えます。

曲の流れはその歌詞の内容に沿うように展開していきます。

前半の問いかけの部分がたたみかけるような音の進行なのに対し、後半の羊飼いの答えはゆったりと重々しいテンポで infantem「幼子を」と歌い始めます。

「天使たちのコーラス」のところでは音階が上に(天に)向かって上っていき、 Salvatorem(救い主)の言葉は、どこか悲しげなメロディーに乗せて二回繰り返されます。

最後の部分では各パートが「ノエ」「ノエ」と何度も哀切な抑揚をつけて歌います。天使たちが涙を浮かべながら喜びの合唱をしているよう…...

聖母子像の中で、幼子イエスを抱くマリアが、子どもにやがて訪れる受難を予見して愁いを含んだ表情をしている絵がありますが、そういう絵を思い出しました。

モラレスの "Pastores, dicite ……" は、微かな哀しみを帯びた、美しいクリスマスの曲でした。

巷に流れる賑やかなクリスマス曲より、こちらの方がずっとキリストの誕生にふさわしいと(個人的には)思えました。(天野記)



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研究会といってもアカデミックな研究をするためではなく、西欧ルネサンス期のポリフォニー曲を歌う機会をより多く持つために作られました。
基本的に、講師を招いてワークショップ形式で行い、一回で最低1曲は仕上げることを目指します。

複数の旋律が絡み合い呼応し合うポリフォニー音楽の素晴しさを多くの人と共有できたらと願っています。

毎月のワークショップの詳細については、カテゴリの「ワークショップ」をクリックするとご覧いただけます。


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ルネサンス・ポリフォニー研究会(代表 天野)
メール:polyphonylabo@p06.itscom.net
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